シュタイナー・アントロポゾフィーの幾何学、胎生学

縁あってシュタイナー学校の教員をさせていただいていた時期がありました。

写真は8年生でおこなう彫塑・プラトン立体の変形。
両手におさまるくらいの大きさの球を、ころがしたり机を使ったりせずに手のひらだけをつかって丸くしていきます。

手のひらと指を直角に折った手を使い、正八面体ができます。
さらに点を面へと変換させることによって、正十二面体、正二十面体へとメタモルフォーゼします。

それは突然、あらわれる自分の手から生まれる幾何学、驚きと感動、喜びが学びになる瞬間です。

芸術療法としてもよくつかわれますが、子どもにとってはこの立体を作ることは、身体や精神の軸を養う働きを強めてくれるそうです。
立ち方、身体の使い方、集中力、気持ちの向け方までかわってくると。

好きに形を作っていく彫塑とはまったく違うエネルギーの使い方。
たしかに、生命をつかって形を生み出している感覚があります。

障がいのあるお子さんだけでなく、療育(治療と教育)はすべての子どもを対象としています。

胎生学、発生学では、受精卵からの成長過程を彫塑します。
一つの卵細胞が細胞分裂を繰り返し、閉じたり、開いたり、ひっくり返ったりを繰り返していくうちに、精巧で複雑な生命体になるのです。

すべてが遺伝子によって予め定められたままに成長するのではなく、受精卵の置かれた環境(液体の力学)の圧力や張力が、細胞の行動を左右するのだといいます。

「人間とは何だろう」という問いには感覚だけではたちゆかなくなるときがあります。
それは教育の場で自然科学を美しく感動的に伝えることの重要性、ともいえます。

#シュタイナー#アントロポゾフィー#療育